PCやスマホの動作がいつもと違う……「もしかしてハッキングされた?」と不安を感じたとき、まず何を確認すればいいかわからない方も多いはずです。
本記事では、ハッキングされたかどうかを調べる方法を「PC(Windows・Mac)」「スマホ(iPhone・Android)」別に分けてわかりやすく解説します。また、万が一ハッキングが確認された場合の初動対応と、再発防止策まで一気通貫で解説します。
この記事の目次
ハッキングとウイルス感染の違い
まず「ハッキング」と「ウイルス感染」は混同されがちですが、意味が異なります。
| 用語 | 意味 | 主な被害 |
|---|---|---|
| ハッキング | 権限のない第三者がシステムやアカウントに不正にアクセスする行為 | アカウント乗っ取り・情報窃取・不正送金 |
| ウイルス感染 | 悪意あるソフトウェア(マルウェア)がデバイスに侵入して動作する状態 | データ破壊・情報流出・動作障害 |
実際には、ウイルス感染を入口にしてハッキングされるケースが多く、どちらも同等の危険性があります。
【PC版】ハッキングされたか調べる方法

Windowsの確認手順
①タスクマネージャーで不審なプロセスを確認する
- 「Ctrl + Shift + Esc」を押してタスクマネージャーを開く
- 「プロセス」タブを開く
- CPUやメモリを大量消費している見覚えのないプロセスがないか確認する
- 不審なプロセスを右クリック→「ファイルの場所を開く」で実体を確認する
アイドル時(何も操作していない時)にCPU使用率が常時50%以上の場合は要注意です。「cryptominer」「remote access tool」などの名称も危険なサインです。
②イベントビューアーでログイン履歴を確認する
- 「Windowsキー + R」を押して「eventvwr」と入力し実行する
- 「Windowsログ」→「セキュリティ」を開く
- 「イベントID 4624」(ログイン成功)や「4625」(ログイン失敗)を確認する
- 身に覚えのない時刻・場所からのログインがないか確認する
③管理者アカウントの不正作成を確認する
コマンドプロンプトを管理者権限で起動し、以下のコマンドを実行します。
見覚えのないアカウント名が表示された場合、攻撃者が管理者権限のアカウントを作成した可能性があります。
④ネットワーク接続の不審な通信を確認する
コマンドプロンプトで以下を実行します。
外部の不審なIPアドレスへの通信(ESTABLISHED状態)が確認できます。
Macの確認手順
①アクティビティモニタで不審なプロセスを確認する
- 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「アクティビティモニタ」を開く
- 「CPU」タブで高負荷なプロセスを確認する
- 見覚えのないプロセス名を検索して調べる
②ログイン項目を確認する
- 「システム設定」→「一般」→「ログイン項目」を開く
- 自分で追加していないアプリが自動起動設定されていないか確認する
③コンソールで不審な外部通信を確認する
「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「コンソール」を開き、システムログに予期せぬ外部通信やエラーが頻発していないか確認します。
【スマホ版】ハッキングされたか調べる方法
iPhone(iOS)の確認手順
①Safety Checkで共有状況を確認する
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「セーフティチェック」を開く
- 「共有とアクセスの管理」を選択する
- 自分のデータやアクセス権を持っているアプリ・デバイスを確認する
- 不審なアプリやデバイスがあればアクセスを無効にする
②バッテリー使用状況を確認する
「設定」→「バッテリー」を開き、使った覚えのないアプリが大量にバッテリーを消費していないか確認します。
③着信転送の設定を確認するダイヤルコード
電話アプリのキーパッドで以下のコードを入力します。
| コード | 確認できること | 解除コード |
|---|---|---|
| *#21# | 無条件着信転送の設定状況 | ##21# |
| *#61# | 無応答時の転送先 | ##61# |
| *#62# | 圏外時の転送先 | ##62# |
| *#67# | 通話中の転送先 | ##67# |
攻撃者が着信を傍受することで、SMSに届く2段階認証コードを盗んでいる可能性があります。すぐに解除コードを入力してください。
Androidの確認手順
①Google Play Protectでスキャンする
- Google Play Storeを開く
- プロフィールアイコンをタップ→「Play Protect」を選択
- 「スキャン」を実行して悪意のあるアプリがないか確認する
②データ使用量を確認する
「設定」→「ネットワーク」→「データ使用量」を開き、使った覚えのないアプリが大量にデータを消費していないか確認します。
③不審なアプリを確認する
「設定」→「アプリ」でインストールされているアプリ一覧を確認し、インストールした覚えのないアプリがないかチェックします。
ハッキングを示す主な兆候一覧
| 兆候 | 考えられる原因 | 緊急度 |
|---|---|---|
| PCやスマホが異常に重い・熱い | マイニングマルウェア・ボットの動作 | 🔴 高 |
| 身に覚えのないログイン通知 | アカウントへの不正アクセス | 🔴 高 |
| アカウントにログインできない | パスワードを攻撃者に変更された | 🔴 高 |
| 銀行・カードに不審な取引 | クレジットカード情報の窃取 | 🔴 高 |
| カメラ・マイクのランプが勝手に点灯 | スパイウェアによる遠隔監視 | 🔴 高 |
| 知人から変なメッセージが来たと連絡 | アカウントの乗っ取り・なりすまし | 🔴 高 |
| バッテリーの消耗が急に早くなった | バックグラウンドでマルウェアが動作 | 🟡 中 |
| ブラウザが勝手に変なサイトに飛ぶ | ブラウザハイジャック | 🟡 中 |
| インストールした覚えのないアプリがある | マルウェアによる不正インストール | 🟡 中 |
| 2段階認証コードが勝手に届く | 誰かがログインを試みている | 🟡 中 |
ハッキングされた場合の初動対応9ステップ
Step 1:ネットワークを即座に遮断する
Wi-Fiをオフにするかルーターのケーブルを抜き、攻撃者との通信経路を断ちます。これが被害拡大を止める最優先アクションです。スマホはモバイルデータもオフにしてください。
Step 2:別のデバイスからパスワードを変更する
ハッキングされたデバイスはマルウェアに感染している可能性があります。必ず別のデバイスから、メール・SNS・銀行・クラウドストレージなどすべての重要アカウントのパスワードを変更してください。
Step 3:多要素認証(MFA)を有効にする
パスワードを変更するだけでなく、すべての重要アカウントでSMS認証・認証アプリなどのMFAを有効にします。MFAがあれば、パスワードを盗まれても不正ログインを防げます。
Step 4:ウイルス対策ソフトでスキャンする
信頼できるウイルス対策ソフトを使ってデバイスをフルスキャンし、検出されたマルウェアをすべて削除してください。なお、新種のマルウェアはウイルス対策ソフトで検出できない場合もあるため、次のステップも重要です。
Step 5:不審なアプリを削除する
インストールした覚えのないアプリやソフトウェアをすべて削除します。削除後にデバイスを再起動して、完全に削除されているか再確認してください。
Step 6:クレジットカード・銀行口座を確認・凍結する
不審な取引があればすぐにカード会社・銀行に連絡し、カードを凍結してもらいます。凍結はWebサイトから簡単に解除できるため、まずは凍結を優先してください。
Step 7:連絡先に通知する
自分のアカウントから不審なメッセージが送られている可能性があるため、連絡先の人たちに「アカウントがハッキングされた可能性がある。変なメッセージが届いてもクリックしないように」と早急に伝えてください。
Step 8:必要に応じてデバイスを初期化する
ウイルス対策ソフトでも駆除できない場合、OSを初期化(工場出荷時リセット)することが唯一確実な駆除策です。初期化前に必ず感染前のデータをバックアップしてください。
感染後にバックアップしたデータにはマルウェアが含まれている可能性があります。写真・連絡先など個人データのみバックアップし、アプリは公式ストアから再インストールしてください。
Step 9:自力での対応に限界を感じたら専門業者へ
企業の業務データが流出した可能性がある場合は、専門知識のない自己対応は決定的な証拠を消す恐れがあります。フォレンジック(サイバー犯罪の痕跡調査)の専門業者への依頼を検討してください。
ハッキングの主な手口と種類
| 手口 | 内容 |
|---|---|
| フィッシング | 偽のメール・サイトに誘導しID・パスワードを盗む |
| マルウェア感染 | メール添付・不審サイト経由でウイルスを仕込む |
| 標的型攻撃 | 特定の企業・個人を狙い、精巧なメールで侵入する |
| パスワードリスト攻撃 | 流出した認証情報を別サービスでも試す |
| SIMスワッピング | 携帯キャリアを騙してSIMを乗っ取り、SMSの2段階認証を突破する |
| 公共Wi-Fiの盗み見 | 保護されていないWi-Fiで通信を傍受する |
| ジュースジャック | 公共の充電スタンドを通じてマルウェアを仕込む |
ハッキング・アカウント乗っ取りの被害事例2選
事例1:メールアカウントが乗っ取られ、フィッシングメールが送信された事例
一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)では、職員のメールアカウントが外部から不正アクセスを受け、アカウント内に記録されていたメールアドレス1,733件に対して、職員になりすましたフィッシングメールが送信されました。
メール本文には、個人情報の抜き取りを意図したとみられるフィッシングサイトへのURLが記載されていたとされています。身に覚えのない送信履歴や、知人から「変なメールが届いた」と連絡があった場合は、アカウント乗っ取りを疑い、すぐにパスワード変更やログイン制御を行うことが重要です。
事例2:リスト型攻撃で不正ログインが発生した事例
オンライン学習サービスのProgateでは、外部で流出したとみられるID・パスワードを使ったリスト型攻撃により、一部ユーザーアカウントで不正ログインが発生しました。不正ログインを受けたアカウントでは、メールアドレスやプロフィール画像、一部カード情報などが閲覧された可能性があるとされています。
複数サービスで同じパスワードを使い回していると、1つのサービスから認証情報が漏れただけで、別のサービスにも不正ログインされる危険があります。パスワードの使い回しを避け、多要素認証を有効にすることが重要です。
ハッキングを防ぐための対策
- すべての重要アカウントでMFA(多要素認証)を有効にする:パスワードを盗まれても不正ログインを防げる最も効果的な対策
- パスワードの使い回しを禁止する:1つのサービスからパスワードが漏洩しても、他のサービスへの被害を防げる
- OS・アプリを常に最新版にする:セキュリティパッチを適用して脆弱性を塞ぐ
- 不審なリンク・添付ファイルは開かない:フィッシング・マルウェア感染の最大の入口を塞ぐ
- 信頼できるウイルス対策ソフトを使用する:リアルタイムで脅威を検知・遮断する
- 公共Wi-FiではVPNを使用する:通信を暗号化して盗聴を防ぐ
- スマホのSIMカードにPINを設定する:SIMスワッピング攻撃を防止する
よくある質問(FAQ)
Q. 電話に出ただけでハッキングされることはありますか?
最新のスマートフォンであれば、電話に出るだけでマルウェアが自動インストールされることはほぼありません。ただし「ソーシャルエンジニアリング(電話口で個人情報やパスワードを聞き出す詐欺)」による被害は多数報告されています。電話でパスワードや認証コードを聞いてくる相手は詐欺と考えてください。
Q. スマホの電源を切っていてもハッキングされますか?
電源を完全に切ると通常のリモートハッキングはできません。ただし、一部の高度なスパイウェアは電源オフのように見えて実際は動作し続けるものがあります。また、電源をオフにしてもデバイスに既にインストールされたマルウェアは次回起動時に再び動作します。
Q. ハッキングされたか無料で確認できる方法はありますか?
はい。Windowsのタスクマネージャー・イベントビューアー、MacのアクティビティモニタはOS標準機能で無料です。スマホはiOSのSafety Check・AndroidのGoogle Play Protectが無料で使えます。
また「Have I Been Pwned(haveibeenpwned.com)」というサイトでメールアドレスが過去のデータ流出に含まれているか無料で確認できます。
Q. ハッキングされたことを警察に届け出る必要はありますか?
不正送金や個人情報の大規模流出が発生した場合は、警察への届け出と被害申告を行うことをおすすめします。また、個人情報が流出した場合は、個人情報保護委員会への報告義務が生じる場合があります(企業の場合)。証拠保全のためにログや不審なメールなどを削除せずに保管してください。
Q. iPhoneはAndroidよりハッキングされにくいですか?
一般的にiPhoneはAndroidより安全と言われていますが、完全ではありません。iPhoneを「脱獄(ジェイルブレイク)」すると重要なセキュリティ機能が無効になり、脆弱性が大幅に高まります。
AndroidはオープンソースでサードパーティアプリのインストールができるためiPhoneより潜在的なリスクは高いですが、Google Play Protectやメーカーのセキュリティアップデートで対策されています。どちらのOSも常に最新版を使い、公式ストア以外からのアプリインストールを避けることが重要です。
まとめ
ハッキングされたかどうかは、PCであればタスクマネージャー・イベントビューアー・コマンドで確認でき、スマホであればSafety Check・Google Play Protect・着信転送のダイヤルコードで確認できます。
兆候が複数当てはまる場合は、まずネットワーク遮断→別デバイスでのパスワード変更→MFAの有効化という順番で対処してください。 ハッキングの被害を最小化するカギは「早期発見・即座の遮断・迅速な対処」です。
万が一ハッキングが発覚した場合でも、冷静に本記事の9ステップで対応すれば被害を最小限に抑えられます。日頃からMFAの設定・パスワードの使い回し禁止・OSの最新化という基本的な対策を継続することが最大の防御策です。































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今すぐ確認!ハッキングの可能性が高い5つのサイン
以下のうち複数当てはまる場合、ハッキングされている可能性があります。